La Casa Acustica

oBravo を音響ハウスのエンジニアが聴きくらべ!

ヘッドフォン/イヤフォンのツイーターにハイルドライバーとも呼ばれる AMT(エアー・モーション ・トランスフォーマー)を採用するなどして、「イヤー・スピーカー」のコンセプトを追求し続つづける台湾の「oBravo」。音響ハウスのエンジニア達が、“現場の耳” で oBravo のヘッドフォン/イヤフォンを試聴しました。

<主な試聴ヘッドフォン/イヤフォン>


HAMT-Signature

HAMT-3

HRIB-3

Cupid

Aglaea

eamt-5w

RA-C-Cu

<試聴用ヘッドフォン・アンプ>

  • Antelope Audio AMÁRI(音源:CDプレーヤー ESOTERIC DV-50s)
  • スタジオ常設のキュー・ボックス(音源:AVID HD I/O, ProTools)
  • 各自私物のスマートフォン、オーディオ・プレーヤー

ヘッドフォンには専用のケースが付属

CDプレーヤーのデジタル出力を AMÁRI に接続

<参加エンジニア>

2020年2月6日 音響ハウス 第6スタジオ


HRIB-3

中内 ひと通り聞いた感じ、低域が気持ちよく豊かに聞こえますね。ただ、音源を選ぶというか、ハマるハマらないの差があるのは oBravo のヘッドフォンに共通しているかなと・・・ある意味正直すぎるような。あと、装着位置が大切。しっかり耳に合わせると、ピントが合った音がすると思います。

櫻井 HRIB-3 は、今回のヘッドフォンの中でいちばん軽くて被りやすいね。

中内 ツイーターが、AMT と プレイナー・マグネティック と2種類ありますけど結構違いますね。AMT は濁りが無く綺麗。歪み感がないというか、見通しが良い感じ。

村上 ツイーターが違うだけで、不思議と低域も明瞭な感じに聞こえますね。

櫻井 Signature モデルは、他とくらべると結構重い・・・部品が詰まってる感じ。パーツの差が音にも影響してるんでしょうね。コンデンサーもドライバーも重いんでしょうけど、さすが「Signature」というだけあって、一番聞きやすいかな。

中内 アコースティックなものだったりとか、僕の持ってきたジャズのソースなんかは、HAMT-3、Signature だとナチュラルで違和感なく聞こえますね。HRIB-3 は、少し低域が誇張されている感じ。


HAMT-Signature

櫻井 チューニング・キットのエアキャップで、3ヵ所ある通気孔をふさいだり開放したりして音質を調整できるけど、今は、白いモデルの HRIB-3 が 2ヵ所空いてる状態、HAMT-3 はすべて開放になってます。このチューニングで印象も変わるだろうし、好みに合わせての調整もできそうで・・・エアキャップの取り外しは簡単だから、オーディオとして面白い部分だよね。


HAMT-Signature

HRIB-3 低域調整用ポート(開2、閉1)

中内 それから、AMÁRI でインピーダンスを変化させると、違うヘッドフォンかっていうくらいに音が変わる!スタジオの定番 CD900ST とかだと変化は感じるけど振れ幅は狭いのに、oBravo だと 1ステップ変えただけで(AMÁRI には、17ステップの可変インピーダンス機能がある)すごく変わる・・・繊細なヘッドフォンなのかな。


HAMT-3 / AMÁRI

高村 それだけ変化するってことは、AMÁRI との相性が良いということかも・・・ oBravo は、それ相応のヘッドフォン・アンプで鳴らしてこそだね。それに、AMÁRI の D/A(デジタル信号をアナログ信号に変換)の解像度が高いのもあいまって、音源にある情報がすべて聞こえているような気がする。

中内 とはいいつつ、iPhone で聞いた時の印象もなんか良いなあと思って・・・いわゆるスマートフォンとの相性も、意外と悪くないのかも。
※iPhoneはApple inc.の登録商標です。

松田 クラシックと J-Pop を Signature で聞いてみたら、クラシックは鳴ってる部屋の “空間” が感じれらたんですけど、J-Pop だと “空間がないこと” が見えてしまったというか・・・

村上 HAMT-3 と Signature とを聴きくらべたら、HAMT-3 だと J-Pop らしい “ズンズン来る感じ” があって、「かっこいいなあ、楽しいなあ」と思ったんですけど、Signature だとすごい地味・・・なんていうか、色づけされていない無味無臭な音で、「あれ?」ってなったんです。でも、段々とボリュームを上げていったら、“ずっと聞いていられる音” なのかなって腑に落ちた。確かに派手さはないし、“ズンズン来る感じ” は控えめなのかなって印象でしたけど、それを素直さと捉えれば納得できる音作りというか・・・Signature は、すごく上品な仕上がりなんでしょうね。


Aglaea

櫻井 個々の音がよく解るから、J-Pop とかだと、ミックスしたエンジニアの意図とか、コンプ強いなあとか(笑)、そんなのが解りやすいよね。


村上 そうですね、そのコンプ(音量差を抑える処理)感はすごく解りますね!潰されすぎてるなあってところも(笑)。ダイナミック・レンジの広い音源を聞くとより楽しめて、レンジの狭いものは地味に聞こえるのが oBravo の特徴なのかも。クラッシックとか、レンジ感のある、音楽的なボリュームの大小がはっきりとしている音源はすごい気持ちよく聞けるのかなっていう印象ですね。

櫻井 ヘッドフォンはさておき、イヤフォンの中だと「RA-C-Cu」が好みかな。エージングして育ててみたい。

村上 “身につけるスピーカー” がコンセプトとはいえ、ヘッドフォンである以上クロスフィード(スピーカーから出た音が空間で混ざり合うこと)はないので、正直、スピーカーを再現するのは難しいだろうなとは思っていました。でも、音像はちょっと遠くに感じるし、ヘッドフォン/イヤフォン特有のグッと密閉された印象は薄くて、かなりオープンに聞こえましたね。

八谷 直接耳に届くというより、空気を通ってきてる感じがありますね。

高村 「音圧、以上!」みたいなヘッドフォンもある中、一つひとつの音を冷静に聞けるってことでもあるよね。スピーカーとの距離、つまりは空間というかは、音を判断するときに大切だし。

音圧を感じないのが何だか物足りなくて・・・そっちを期待してたので。

高村 ヘッドフォンだったら音圧が来るっていう先入観があるよね。でも oBravo だと、「スピーカーのセンターで聞いた時はこういう印象だよな」ってイメージで聴ける。


HRIB-3

裏を返せば長時間疲れずに聞けるってことで、途中で「うるさーい!」みたいにならないんでしょうね。

高村 イヤフォンにも同じ傾向を感じるかな。クセがなくて、すべての音が均一に出てるというか、色づけしてない素材本来の音がするというか。


中内 仕事で録った、ピアノとバイオリンの音源を聴いたら――ミックスで判断に苦労したところがあったんですけど――前後の奥行きがすごい解って、あの時の苦労は何だったんだろうと、ビックリしました。そういう表現力っていうんですかね・・・リバーブ感もすごく “見える” し。eamt-5w は 45,000Hz あたりまで再生できるみたいですけど、単純に数値だけじゃ言い表せないような “ツヤ感” も感じるし、前後の距離感の表現力はすごいです。スピーカーで仕事してる時の感じと変わらずやれると思いました。

櫻井 たしかに、仕事しているときの感覚で「ああ、まあこんな感じだな」って聞けるから、分かりやすいですね。

Cupid は、高域の音がキツいと思っちゃったんですけど、聞いてるジャンルが偏ってるからなのかな・・・

中内 たぶん、音圧を感じたくて音量を上げていくと、確かにキツく感じるかも。Cupid は、そんなに大きくない音量で聞いた時に良い鳴り方をしてくれるって思うし、着けた時のフィット感も最高ですね。僕は今までイヤフォンをあまり使ってなかったんですけど、Cupid は イヤフォンの概念を変えてくれたかも(笑)。あと、くどいですけど、eamt-5w の持つ明瞭度、ツヤ出してるなーという印象、これが AMT の特徴なんでしょうかね。


Cupid アルティメイト・モデル

Cupid は、僕はもっとブンブン来て欲しいですけど(笑)、デザインすごく好きだし結構買いですね。


Aglaea

中内 かっこいいですよね。

松田 Cupid は、アルティメイト・モデルじゃない方のケーブルだと、どんな音になるんでしょうね。

櫻井 カスタマイズというか、ハウジングの材質が木製、アルミ、セラミックで選べるのも面白いよね。材質によって低域の質感とか全然変わるから。eamt-5w はハウジングが「木(w =wood)」だから、鳴ってくれると思うんですよね。“鳴り” が、金属のイヤフォンとひと味違う感じ。

村上 oBravo のイヤフォンは、エフェクトのちょっとした違いもしっかり聞こえるし、自分のミックスの意図がちゃんとわかるんですよね。AMT だからか、音の立ち上がりも速いなと思って。リズムの “パルス” の部分までしっかり聞こえて来るというか。



中内 自分のミックスの進め方の話ですけど、キックがあってスネアがあって歌がここにあって・・・と積み木を組んでいく感じとか、積み木の周りを肉付けしていく感じが手にとるように解るんです。キックをこの場所に置いたら、次はここ、そしたらここに空きができたから他のパートを入れられる、みたいなことが見えてくるんですよね。

<主な試聴ヘッドフォン/イヤフォン>


HAMT-Signature

HAMT-3

HRIB-3

Cupid

Aglaea

eamt-5w

RA-C-Cu

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