KLH Audio は、1957年にアメリカで創業した歴史あるオーディオ機器メーカーで、数々のエポックメイキングな製品を世に送り出してきた会社です。この「Ultimate One」は、ゼブラ・ウッドの美しい天然木のイヤーカップ、ヘッドバンドとイヤーパッドの内側には高級ラムスキン、外側には最高級カウハイド・レザーを使用し、見た目の美しさと着け心地において非常に高級感溢れる作りになっています。実際の装着感は、やわらかくて厚みのあるクッションが耳をすっぽり覆い、とても心地良いです。340gの重量の重さを感じさせないので、長時間使用も問題なさそうです。
しっかりした作りの黒革トラベル・ケースが付属。またケーブルは着脱式の2m純銀製リッツ編みケーブルで、滑らかな感触で取り回しが良いです。(6.3mm変換アダプター付属)
ベリリウムドライバーらしく、ハイエンドが綺麗に伸びている印象です。すっきりワイドレンジかつ開放型ということもあり定位感も自然。聴き疲れしない印象です。
先入観なしで音質チェック。まず圧倒的なレンジの広さを感じます。特にエネルギッシュな高域と重厚で締まった低音が特徴的で、それでいて硬すぎない耳に心地いい音です。 ピュア・ベリリウム・ドライバーの特徴でしょうか、明るくてパンチのある高域の音は、繊細でかつ伸びのある良質な音で、生楽器などの音を際立たせてくれます。 また最初は低域が少し控えぎみかなと思いましが、締まった低域、重低音もよく出ていて全体的な音のパランスがいいです。多少“ドンシャリ”な傾向も感じられましたが、どの年代の音楽を聴いても“いい音”で鳴ってくれます。
今回いくつかのヘッドホンの聴き比べも行いましたが、「Ultimate One」は、どのジャンルの音楽も圧倒的なレンジの広さを感じました。特に近年の音楽で多い、重低音から超高音を含む楽曲でも余裕が感じられます。複数台ヘッドフォンを所有している自分も、ぜひ欲しくなった一台です。